リック・最後の戦い(本編4)

□第四章
4ページ/14ページ

ヴァンフォーレは自室(冒険者の酒場に付属した宿屋の一室。男性陣はその部屋に雑魚寝している)で、「My poem」と流暢な筆記体で書かれた一冊の、半分のページには何も書かれていない本を取り出した。
この分厚く豪華な本は特注品で、最初は全て白紙だった。ヴァンフォーレの書き溜めたポエムが、今では半分のページを埋めている。
「今日は川柳にしよう」
そう呟くと、ヴァンフォーレはしばし悩んだ。
悩み抜いた末に、ヴァンフォーレは綺麗な色をした羽根ペンの先をインクの壷にちょんと突っ込み、それからそれを本に滑らせた。

「滅ぶとも
消えぬは我の
志(こころざし)」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ