リック・最後の戦い(本編4)

□第四章
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ミカはヴァンフォーレと同じく、自室(こちらも全員一つの部屋に雑魚寝だ)に居た。机の上に置いてあるサボテンは、彼女の大事なものだ。ミカはそのサボテンを眺めながら、ノートにその様子をスケッチしていた。
スケッチが終わると、次はその下に文章を連ねていった。
「つぼみが見つかった。数日もすれば、かわいい花が咲きそうだ」
そう書くと、ミカはペンを宙にさ迷わせた。次に何を書こうか迷ったのだ。
「…まあ、そのまま書いちゃいましょう」
そう決めると、彼女はペンをノートに走らせた。
「私がこの世を去る前に、咲いてくれる事を願う」
そう書き終え、ミカは息を吹き掛けてインクを乾かし、それからノートを閉じた。
「…早く咲かないかなー…」
頬杖をついて、ミカはサボテンに微笑みかけた。
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