リックの冒険の話(本編)

□第一章・終わりから来た始まり
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「さて、全員揃ったのう」
キャロ村の側の静かな草原で、依頼人である老人が言った。
依頼は、馬車に積まれた貨物の護衛。
リックとリナとノエルに三人の冒険者、それから依頼人である腰の曲がった老人と、優男な御者の八人(ただし老人と御者は武術の心得もなさそうなので、結局は六人だろうか)編成で貨物を積んだ馬車を護衛する。
「出発する前に言うが、貨物を覗くのは厳禁じゃ。まあいわゆる企業秘密じゃな」
「おう」
「わかったわ」
「はーい」
「はいよっ」
「ああ…」
「へいへい」
「返事は一回だけじゃ」
「へい」
「生返事をするでないわ!」
口うるさい老人である。
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