若かりし頃の話(本編2)

□暗殺者、夜を駆ける
1ページ/12ページ

リックにとって三回目の戦は、三日後に迫っていた。今回はサウリスタに居を構える、長男を失ったアブトマット家の騒動で、次男と三男が権力を巡って争っていたのだ。
「今回、お前には暗殺部隊になってもらう」
そんな夜、リックは突然そんな事を言われた。
「暗殺?俺がですか?」
「ああ」
リックは一瞬戸惑ったが、用意された答えは一つだけだった。
「わかりました。やってみます」

肯定の返事を返し、リックは踵を返した。

リックは革コートのみを着込み、腰には「ヘッドハンター」と、取っ手をつけたワイヤーだけを装備した。がちゃがちゃ音を立てるわけにはいかない。
用意を済ませ、リックは暗殺部隊のもとへと向かった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ