碑文の棚
□**透き通る夏の空***
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「こんなところで何してるんだい?」
サボりかい?と笑い九龍を見る。
九龍はニコリと笑い空を見上げ
「違うよー・・空を見てたんだ」
「・・空?」
つられて、取手も空を見上げる
「・・綺麗だね・・」
「だよねっ」
九龍はゆっくりと立ち上がると、うーんと伸びをした。
「・・後さどのくらいこの空見られるんだろうな・・」
「・・え?」
取手は淋しそうに笑う九龍の横顔を見た
九龍は苦笑いをし取手を見て
「ほら俺さ・・遺蹟とか行くじゃん?それでさ・・その死んじゃったりしたらもう見られなくなるじゃん」
「っ・・・」
あははと淋しそうに笑う九龍、取手はそんな九龍をぎゅっと抱き締めた
「なっ!えっかま・・」
「死なせない!・・はっちゃんは・・死なせないからっ・・僕が・・僕が守ってあげるから・・・だからそんなこと言わないで!」
ぎゅっと抱き締め涙を流す取手に最初は戸惑ったもののフッと困ったように笑い背中を子供をあやすようにポンポンと叩いた
「・・ごめんな・・そんなこともう言わないから・・ありがとな・・」
「・・本当に?」
「うん・・言わない」
だからなっ?と泣いている取手に笑顔を見せる
取手はその顔を見て安心したのかふにゃりと笑った
青く透き通る空・・
地上に咲く大きな二つのひまわりのように。
二人で・・
あの綺麗な空を
ずっと見ていよう・・
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