『happiness guidepost』
□第7話「心をのみ込む荒波」
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『たぶん、私は紫陽くんのことが…。』
そう。でも、この気持ちを強く意識するようになったのは先週。あの子“まつりん”こと茉莉さん。一緒に参加したいって言ってきたとき、まるで私の気持ちを知ったかのように丸め込む言い方、とても嫌な感じがした…。
「…痛っ。」
思考が乱れたせいか指を切った。幸い浅い傷ですんだけど、不安な気持ちを抱えたままお弁当を完成させて、集合場所へと向かった。
「おはようございます、雛雪さん。」
「ひなっき、おはよう〜。」
集合場所の駅の改札口を出たところで、二つの挨拶が私のことを出迎える。