『LOVE REASON』
□第8話「最初のステップ」
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「平野君。」
…いつもの昼休み、いつもの様に僕達三人が集まったところで、いきなり廊下から僕の名を呼ぶ声がした。何事かと振り向くと、
「……な。」
そこには、息を切らして走ってきた様にしている水嶋さやかがいた。
スタスタ…
驚く周囲などお構い無しに彼女は僕の座る席まで近付くと、
「一緒に…お昼ご飯食べませんか?」
そう言って、彼女は手に持っていた風呂敷包みを机に置く。
「…ちょっと待った。」
僕はそう言いながら風呂敷包みを見て、
「普通に、一人や二人で完食出来る量ではないですよね…。」
そう彼女に問い掛ける。