『LOVE REASON』

□第10話「土曜の夜は…」
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「……はぁ。はぁ…。」


…走り始めてから2分。僕は当初の展開とは正反対の状況にあった。水嶋さんに追い抜かれるどころか波音さんや篠沢、果ては助け舟を出したつもりの駒木にまで先を越されてしまった。

「…はぁ…。」

両手を膝に付けて少し休んでいると、


「…はぁ。はぁ。はぁ…。平野君。」

僕の目の前に水嶋さんが息を切らせて走ってきた。
「…水嶋さん?」
走ってきた理由も分からず目を丸くする僕を、
「迎えに来たよ。一緒に走ろう。」
そう言うと、何の躊躇いも無く僕の手首を掴んで走り出す。


「…わわっ。待っ……」


僕は息も整わないまま引っ張られるように再び走り出した…。
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