『HIDE-AND-ESCAPE』
□第1話「Missing meets…」
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「はぁ…はぁ…。」
…明かりもない、暗く細い路地裏を僕は必死に駆けていく。少し遠目から数人の怒声が聞こえてくる。
「…路地裏だ。追え追えっ。」
「相手は子供の脚だ、絶対逃がすな。」
背中越しに響く声が大きくなってきた気がする。…確かに、子供と大人の脚力では差は歴然。しかも、病み上がり(?)に近い身体で体力も普通以下のところがさらに少ない。
「はぁ、はぁ…くっ。」
お腹の辺りに痛みが走る。でも、休んではいられない。とにかく、僕はなお走り続ける。と…、
「ぅわ?」
勢いに負けて、足が縺れる。