『Phoenix Girl』
□第8話「見つめる者が落とした鍵」
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『…うぅ、気が重い。重役だよ…。』
「えっ、僕がですか?」
翌週、開いた作戦会議の中で僕…紫陽が開口一番に出た言葉がそれだった。
「うん…。もう一つ、ひなっきが黒犲のこと引き出せなかった様やし、同性同志なら…。正直言ぅて、チャンスはそんなにないねんけど…。しよ君、頼むで。」
僕の言葉に、向かいに座る少女。茉莉さんことまつりんがそう答える。
「ゴメンね、紫陽くん。私も、もう少し頑張りたかったけれど、うまくいかなくて…。」
そう僕に話し掛けたのは隣にいる雛雪さん。僕の大切な人…だけど、心なしかいつもより声がか細い。