《Others》
□「Summer Sweet Dessert」
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「ハァ……着いた。」
ある夏の晴れた日、私…小明凪葉(こあきなぎは)は夏休みを利用して故郷の海水浴場に来ていた。
地味に隠れた穴場として有名で、人も疎らなそんな場所にそれも一人で…。
「うーん…。」
私は一つ伸びをしてみるのだが、さすがに一人で来るのはちょっと寂しい…。
「浜辺に行こっか?」
そう言って、私は海水浴場になっている浜辺へと向かった。
浜辺に向かう堤防の階段を降りると、
「あれ?雛雪さん?」
「??」
人を探す声がする。見ると蝙蝠の羽を付けた小柄な青年が両手にソフトクリームを持ってまま、きょろきょろと首を傾げている。