黒絡
□副長。
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副長の座いただきやすぜ。間抜けな土方さん」
目の前にいる土方に沖田は吐き捨てた。
『んだぁっ!総悟ぉぉぉ切腹しやがれっ』
そんな言葉を待っていた。
しかし、 帰ってきたのは重い沈黙
「副長っ、この書類に判子お願いします。副長っ、副長っ」
「え、あ、わりぃ、わかった、其処置いといてくだせぇ」
土方が敵の刃に倒れて1年が経つ
副長土方の座は必然的に沖田に回ってきた。
適役は他にもいる。と言ったが、『トシの意向だとおもってくれ』と近藤に言われたら、嫌とも言えず副長となった。
「毎日判子、判子…やっぱりあんたじゃないと務まりませんぜ…こんな退屈な作業」
ポケットからタバコを一本取り出し、虚空を見上げながら呟いた
重い腰をあげ、部屋を出た
「山崎。パトロールいってくる」
「了解です、沖田隊ちょ…じゃなくて、沖田副長」
「いい加減慣れろィ」
他の隊士達は、一週間で『副長沖田』に慣れたが、1年経った今も山崎だけは間違える。
慣れろ
口ではそんなこと言うが、むしろ間違えられた方が嬉しい。
副長は……………
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