黒絡
□副長。
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「ちわーっす」
「あぁん?副長さんがこんなとこでサボリかぁ?」
ソファーでジャンプを顔にのせ寝ている店主がダルそうに答えた。
「ちぃと邪魔しますぜぃ」
銀時はジャンプを置きソファーから起き上がった
「久しぶりだなぁ」
「そうですねぃ、土方さんの葬式以来だから1年ってとこですねィ」
煙草…どこだ…
「あらら、君もついにタバコ吸うようになっちゃったの?」
「ストレス多き仕事なんでねィ…あ、あった」
「それだけ?」
土方と沖田の関係を知る唯一の人間。そんな彼の死んだ魚のような目には、全てを吐ける気がした。
「………忘れたくねぇんでさァ」
天井を見上げ呟いた
恋人のにおい
幾度となく包まれたにおい
遠くになってしまったにおい
「まぁ、肺ガンならねぇくらいにしとけよ」
「…………へぃ」
沈黙が続いた。
ふと戻した視線の先の店主は再びジャンプをのせソファーに寝ている。
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