黒絡
□禁断
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「神妙にお縄につけぇ!!」
「「「真選組だぁ」」」
監察山崎の素晴らしき活躍によって、たった今、過激派攘夷志士:高杉晋助、及び、その手下達を拘束した
「俺がおめぇを護送するんだぜ?」
高杉晋助の護送中は、高杉が暴れても対処できるようにと、土方を隣にすることになっていた
「ククッ、いいのかァ?護送中にはなしかけて...」
「かまわねぇだろ。」
「適当だなァ真選組も…」
鼓膜を擽る低音
自分より悪い目つきだが
吸い込まれそうな隻眼
ニィと上げる口角
似顔絵の恐ろしい男のイメージはなく恐ろしいどころか
妖しい美しさを放つ目の前の男に
土方は一瞬見入っていた
そして
心臓は今までに味わった事のない鼓動を刻む
少女の初恋が如く
「俺の顔になんかあるかァ?」
「…!!!何もねぇよ!!」
問われ
我に返り
気づくのである
―――コイツニホレタ―――
「ククッ……変な野郎だ。なぁお前、名前は?」
「俺ァ…土方十四郎だ。」
名乗ると同時に護送車が屯所についた
「土方十四郎だァ??良い名前じゃねぇか……」
「なんか言ったか?」
高杉が呟いた一言をかき消すブレーキ音
「イヤァ?なにも」
土方が先導し高杉を屯所に連れる