黒絡

□最後のキス
1ページ/2ページ




沖田が死んだ―




巡回していた時だった



覚えているのは自分の目の前で大量の血を流し倒れた恋人の姿




一瞬の事





その日のうちに
遺体は屯所に帰ってきた

アイツの家である
屯所に






通夜。
気をつかい誰もいなくなった部屋
2人しかいない部屋



朝まで隣で話していた

隣で戦ってた

今はいない




何でお前は俺を庇った
俺より小せぇ体で
何で俺の前にでた


何で俺より先に死んだ



お前は副長の座を狙ってたんだろ?

だったら、俺より先に死んだら意味がねぇじゃねぇか


答えろよ
目を開けろよ
いつもみてぇに笑えよ
起きろよ







もう一度「十四郎!」てよんでくれよ


もう一度「総悟」てよばさせてくれよ


もう一度、愛してるていわせてくれよ



部屋からもれる
男泣き




すでに冷たくなった恋人の額を撫でながら酒を飲む





アイツの好きだった鬼嫁を

あい変わらず、つえぇ酒だ…


くそ、目にしみらァ






後悔先に立たずってこういう事言うんだろうな

いいてぇことあったのによ



もう言えねーじゃねぇか




でも最後に言わせてくれ?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ