黒絡

□段菊
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「近藤さん。土方コノヤローをみやせんでしたか?」

「トシか?ああ〜さっき花もってでかけたぞ?」

「花?」






朝から降りしきる雨
土方は近藤の部屋にいた



「なぁ近藤さん、わりいんだが今日1日暇くれねぇか?」
「どうした?調子でもわるいのか?」




鬱陶しい雨を見ながらタバコをふかし近藤の問いにただ一言答えた









―行かなきゃいけねえ所があるんだ―










近藤の部屋を後にした





「山崎、昨日頼んどいたのあるか?」

「はいっ。…大変だったんすよ―珍しい花だったんで」

「わりいな…手間取らしちまって」





一言いうと花とコンビニ袋を受け取った






―いってらっしゃい…あ〜まだ雨やまないな〜―






背中で山崎の声をききながら屯所を後にした






夕方土方は帰ってきた

―ずぶ濡れで―






「おかえりなせぇ…」
「……うっす…」


口数少ない土方に不審な視線を向ける沖田


「土方さん、傘ささなかったんですかぃ」
「途中で忘れた」



無駄な沈黙がながれる

雨が屋根をうつ音がうるさい





「わりぃ………先寝る」





―あんたが先寝るときは大体俺に隠し事がある時なんでさぁ…気づいちゃいねぇとおもいますがねぃ……―



「おやすみなせぇ………」



部屋の襖を開け土方の部屋を出た





雨はあがる気配を見せない





「明日……明日は晴れるといいんですがねぃ…」







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