戴き物

□残暑に熱。
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残暑に熱。そのいち。


「「あっつい…」」

夏休み終わってから、初めての日曜日。
毎年お決まり、残暑が厳しい日が続いている。
そんな日の午後、昼下がり。
今日は吾代さんが事件の資料をまた持って来てくれた。

弥子と吾代は少しでも涼しくなろうとお互いソファーの向かい側に座って内輪を扇ぎ合っている。

「まぢあちぃ…何で事務所ん中、外と気温が変わらねぇんだ…」

「フン、全く人間はこれしきの暑さでバテるとは、弱いものだな我が輩なんかさっぱりだぞ」

「バテねぇお前がおかしいぞ」

「そりゃ1億度まで耐えられる人にはね…そりゃぁそうでしょうとも…あ、ヒトじゃなくて"とり"魔人だったか…」

「何か魔人の前に言ったか?(ニッコリ」

「いえいえいえ!なぁんにも!!(汗)」

「それにしても探偵、この事務所あそこにクーラー本体はあるのに付けねぇのかよ?」

「そりゃ、つけたいのは山々だけどさ、リモコンがあそこ…」

弥子の指差す先には…



魔人の手のひらでくるくる踊っているクーラーのリモコン。

「やっぱそう来るか…」

がっくりとうなだれる吾代さん。

「あたしも夏休み中何度か奪い返そうとトライしたんだけどさ…
やっぱ無理…」

「だよな…
だが!!」

がばりっ、と起き上がる吾代さん。

「もう暑さに勝てねぇ…!!
今日は何がなんでも普段は無理だが奴からリモコンを奪い返してクーラーをつけてやる!!」

吾代さん…
そりゃ奪い返してくれたら嬉しいに越したことはないけど…


痛い目に遭うのがオチだって…(汗)


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