「学園に十字架を」
□ACT.1 opening
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冷たい雪の上に、少年は横たわっていた。
眼は虚ろで何を写しているのか定かではない。
とはいうものの周りに広がるのはどこまでも続く漆黒の闇だけなので、結局のところは何も写ることはない。
光がなければ何も見ることは出来ない。
―――ここはどこなんだ…?
アレは…僕…なのか…?
その時、少年の元へ一人の男が現れた。
黒いコートに身を包む、赤い髪の男…
その髪は、まるで闇を照らす松明のようだ。
男は静かに言う。
『お前もまた、神に選ばれし使徒のようだ…。戦え…敵は…"奴ら"はお前のすぐ側にいる…。お前の中に眠る"神の力"は、きっとお前の力となるだろう…。俺の遣いをお前に預けよう…。お前の真の力ならば、奴らの野望を打ち砕き、世界を救うことが出来ると信じているぞ―――…』