短編
□そのパズルは完成間近
2ページ/2ページ
私はずっとピースを探してた。今だって、最後のピースを探してる。
貴方の表情が私以外に左右されてしまう事が悔しい。いつだって私は貴方の側で、一番近くで貴方の笑顔を見ていたい。
雷光にとっては自分の手で俄雨を傷付けてしまった事が悔やまれるのだろう。
そして彼のいなくなった穴を私で埋めて―でも、埋め切れない感じ。
私は『誰かの代わり』ではなく『個人』として自分を見てほしいんだ。
でも、もし俄雨が目覚めたら私達はその『代わり』の関係ですらなくなってしまう。
醜いって、わかってる。
それでも私は彼に、目を覚まして欲しくない。
雷光が一番喜ぶのは、私が望む表情を見られるのは、俄雨が目を覚ます事だけ。
そうなれば私は嬉しいけど、それと同時に悲しくもある。
私は俄雨が目を覚まさない事を望んでいる。
狂ってる、こんな私は。
貴方の笑顔を見たいと望んでいる筈なのに。
私は大切な人より自分を優先してしまう。
ただ、やっとここまで漕ぎ着けた関係を壊してしまいたくないだけ。
もうすぐで、完成なのに。
貴方が目覚めたら、私の努力は水の泡。
どうか、最後のピースを奪わないで。
完成間近のパズルでも、最後のピースを失ってしまったから、もう永遠に完成しない
-END-
2008.6.30.Mon
小ネタに下書きがUPしてあるので宜しければそちらもどうぞ!!
しかし会話文はないし相変わらず俄雨へヒロインの嫉妬って感じだし夢じゃないしまず雷光じゃない。
あああああ。
感想等あればBBSにどうぞ。
Chana