BLEACH


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藍染の反逆から暫らく。漸く落ち着きを取り戻しつつある護廷十三隊。


その十一番隊の稽古場。

「客だ。稽古してくれだとよ」

珍しく副官のいない更木剣八。

「誰っすか、んな物好き」
「僕は美しい相手でないと稽古なんかしませんよ」

答えるのは十一番隊色モノコンビ一角と弓親。
それには返さず剣八は後ろに声をかけた。

「おい、この二人なら文句ねえだろ」
「あぁ、十分だ」

体をずらした剣八の影から声とともに現われたのは日番谷冬獅郎。

「…こらまた大物が」
「更木隊長がお相手しなくていいんですか?」

闘うことが何よりも好きな剣八。一角が言った通り大物、もとい隊長の冬獅郎がいるのに自ら闘わないとは。

「最初は更木本人に頼んだんだがな」
「……」
「なんて言って断ったんすか隊長」
「小さな子の頼みを断るなんて、隊長も厳しいなぁ」
「オイコラ綾瀬川、誰が小さいだ誰が」

二人の視線を受け、剣八はぽつりと呟いた。


「……ガキと闘えるか」


吐き捨てるように言った剣八に一角と弓親は思わず冬獅郎を伺った。

『『怒ってる、怒ってるよ』』

「…もういい、やるぞ」

明らかに怒りを押し殺した声に二人はおとなしく従うことを選んだ。

「オイ」
「なんすか?」
「隊長だからって遠慮すんなよ…ってお前らがするわけないな」
「当たり前ですよ」

にやりと笑い合う三人の男。

「俺と弓親、どっちから闘りたいですか?」
「どっちもだ」
「……二対一なんて美しくないね」
「んな卑怯な真似できないっすね」

予想はしていたが頑固な二人に冬獅郎は剣八を見やる。

「だから言ったろ、無理だって」
「仕方ねぇ」

ため息をまた一つ。



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