よろず小説

□嵐
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肩を抱く。雨が窓を揺さぶる。



顔を覆う。庭の木がしなる。


―来る。




大きな音が空気を割った。


三橋は叫んだ。


言葉になっていなかった。闇の中、すがるものを求めて腕が空回りする。タオルが身体を拘束し、三橋はベッドから転げ落ちた。


低い唸りと共に、音は激しくなる。


痛みにこらえ、四つん這いでもがく。


「あ‥あ‥!」


音は鳴りやまない。



三橋は耳を塞いだ。



もうダメだと思った。


呼吸が荒くなる。「こ、来ないで」



計り知れない、逃げることのできない恐怖。


「うわぁぁぁぁぁぁ‥!!」


三橋は床に伏せて動けなくなった。






―ベッドの隅で、白色の携帯端末が光っている。








サブディスプレイに、赤い文字が浮かんでいた。








「着信アリ 阿部隆也」
















全米が震撼した!

あなたはこの恐怖に堪えられるか??

「着信アリ」

主演・三橋 廉(新人)


近日公開!!!







★END★
 
 
 
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