NovelA
□天秤
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人は何も知らない方が幸せなのかもしれない
「あなたが…………」
しかし、俺は知ってしまった
「あなたが…………彼を…………」
俺が答えを求めてしまったが故に………
「あなたが彼を殺すように命じたのですか…………」
あぁ、何故求めてしまったのか
「先生……………」
掟という鎖から、彼は俺を解き放ってくれた…………いや、くれるはずだった
「此処から逃げられないなら、俺がお前を助け出してやるよ」
風で翻る赤
俺だけが知っている彼の笑顔
あの夜、俺と彼は逃げ出した
闇の王子と密林の亡霊に課せられた掟から