憂鬱
□an underdog
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ふと思っただけだ。
口に出しただけだ。
なのに、どうしてまたこうなる?
「ニア、お前いつも座りっぱなしで体鈍らないのか?」
「メロこそいつも駆け回ってばかりで疲れないんですか?」
「まだ18のくせに、疲れるとか言うか?大体俺お前が立って歩いてるのなんて数えるほどしか見たことないぞ」
「そうですか?心外ですね」
「今お前と体力比べしたら勝てる自信あるぜ」
「試してみますか…?」
妖しく光ったその目に、気付くべきだった。
ニアは立ち上がってメロに詰め寄り、そのまま壁に押し付けた。
「っんだよ…何で勝負すんだよ」
「これしかありません」
ニアの唇が、メロに触れる。
「―っにすんだよ真昼間から!」
「体力勝負と言えばセックスしかありませんよ、メロ」
「んなわけないだろ、放せ!」
「放しません」
「―っ」
抵抗するメロの腕を掴み、舌を侵入させる。絡め取った舌を吸い、裏側を舐め上げる。
体の力が抜け、メロの腕はだらりとおろされる。空いた両手でニアがメロの腰を撫で回すと、びくっとメロの体が反応する。
「可愛いですね、メロ、もうこんなになっています」
腰から回した手をメロの中心に当てると立ち上がりかけたそれから熱を感じた。
「…ざけんなっ…昨日あんなにしやがったくせにまだ足りねぇのか!」
「体力勝負をしようともちかけたのはメロ、貴方の方ですよ?」
「誰がこんな方法で…っ」
「私が勝ったら今夜も、付き合ってもらいますよ、メロ…」
「お前ひとの話聞いて…」
メロの体を壁側に押し当て、後ろからニアはメロのベルトを外し、ジッパーを下ろす。取り出したそれは既に待ち切れない程の熱を持て余していた。