ソウルイーター

□不可解、理解不能?
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その夜、シュタインはつぎはぎ研究所で超・筆記試験の問題を作るのを終え、デスシティで自分しか吸わないタバコを吸いながら一息ついていた。
そのとき、彼は前から深く考えていた事をなんとなくつぶやいた。

「俺はいったいなにをしているんだ?」

それは、彼の、自分でも理解できない不可解な行動について向けられた言葉だった。

彼にとって不可解な行動、それは保険のメデューサ先生が関係している。

シュタインがにらんでいるとおり、彼女が魔女であるという可能性は高い。
なのに、自分は死神様にそのことについて報告をしていない。
それが、彼にとっての不可解な行動だ。
彼にとって死神様は絶対の存在だし、教え子である死武専の生徒を魔剣の時のように危険な目に遭わせるような事は好ましくない。
だからこそ、わずかな不安要素でも死神様に報告すべきなのだ。



なのになぜ、自分は死神様に報告しない?
メデューサが魔女ではない可能性も少なからずあるから?
確証ではなくあくまで推測だから?


だが、時折メデューサがソウルや一部の生徒に向ける視線は狂気を帯びている。
魔女ではないとしても、なにかしら彼女は危険であるというのは可能性ではなく、事実だ。
自分でも、イカレテルと認識してる自分と同じようなモノをメデューサには感じる。
なのになぜ?
なぜ、何もせず、今のままにしておくんだ?
死武専の地下にはアレもあるというのに……。


彼は答えをひねり出すかのように頭についたネジをジーコ、ジーコと巻いた。


しかし、彼がそれに答えを出すことはできないだろう。
昔から、実験にしか興味のなかった彼には欠落している、
いや概念は理解してても分からない一つの感情がある。
彼にとって不可解な行動は、これもまた彼には理解できない感情が原因なのだから……。






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