ソウルイーター

□対象
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放課後、教室に残っているよう、俺はマカに言っていた。
マカが魂学で分かりづらいところがあるので教えて下さい、と言って来たからだ。

俺には、すぐに片付けなければいけない書類があったので、職員室から教室に戻るのが、かなり遅れてしまった。

そして、俺が教室に戻ったら、マカは机に突っ伏して寝ていた。

寝ているマカを見ながら俺は、マカはあまりに無防備だと思った。
いくら俺が教職員だからといっても。

なぜならマカは、俺の研究材料であった先輩と、それを奪った女の娘だから。

俺が研究対象にしたくないハズがないだろう。

それに俺はマカにある感情を抱いてもいる。

その感情のせいで、俺はマカを研究対象として研究したいと思うと同時に、彼女を傷つけたくないと思っている。

その感情を人はなんと呼ぶのか、俺は知っている。

まさか自分がその感情を抱くとは、思ってもみなかったが。

愛という感情を。

だが、この感情があるからといって、俺がマカに何もしないという保証はどこにもない。

むしろこの感情があるから、マカに何かするかもしれない。
今は放課後になってから、かなり時間が経っているので、俺とマカの2人しか教室にはいない。

だからこそ、のんきに寝ているこの子は無防備としか思えない。

俺の研究対象としても、愛し方の分からない俺の愛の対象としてもだ。

そして、俺はなんとなく、寝ているマカの頬に触れた。

その時だった。

「マカに何してんだよ、シュタイン博士!」

ソウルの声が教室のドアの方から聞こえてきたのは。

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ソウルの登場に博士はどうするのか…
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