秘密の部屋
□TURN15妄想作品
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ジェレミアのおかげで嚮団の位置を特定することができ、嚮団を殲滅した。
そこまではよかったんだ。
あの謎のシステムによって、俺の父、ブリタニア皇帝にさえ会わなければ……。
今、俺とCCは、嚮団のあった場所から蓬莱島まで帰り、ゼロ専用の部屋にいる。
だが、俺の目の前にいるCCはとても俺の知っているCCとは思えない……。
あの傲慢な態度をとっていた魔女とは違い、俺を新しいご主人様だと思い、粗相のないようにしているさまは本当に奴隷の少女そのものだ。
こいつの記憶の世界で見た奴隷の少女の姿が、今のこいつということなのだろう。
今のCCの額には、ギアスのマークがない。
コードとか呼ばれていたなにかを、皇帝に奪われたのだろうか?
俺の体や顔などにはそれらしいなにかはない。
おそらく額のマークの消失が原因でギアスに関するすべての記憶を失くしたのだろう。
「あの、新しいご主人様……、私はなにをすればよろしいのでしょうか?」
やはり俺の知っているCCではないな……。
「何もしなくていい、お前はもう奴隷なんかじゃないんだ。」
奴隷の少女である今のCCは見てられなかった。
見ていると、無力な自分に対する苛立ちだけでなく悲しみがわいてくるから……。
「その、ところで、新しいご主人様のお名前はなんとおっしゃるのですか?」
CCが俺にそう聞いてきた。
いっそ、このCCの言っている事は、全てCCが嫌いだとかいっていた冗談だったらどんなにいいだろうかと俺は思った。
CCの姿をした奴隷の少女は、さきほどの質問の答えを俺に求めるかのように俺の目をまっすぐ見つめていた。
今、彼女は、新しいご主人様だと思っている俺に無視され、不安なのだろう。
仕方がないから答えることにした。
「俺はルルーシュだ。お前はCC、奴隷じゃないが……よく分からない女だ。」
「ルルーシュ……、ルル様ですね。
私はアナタに仕えたいです、どこか寂しそうだから。」
そういうCCの瞳には輝きがあった。
俺はそれを見て、少し安心した。
そして気づいた、CCとしての記憶がなくなった今の彼女には頼れるものは俺しかいないのだと。
だから、俺は、あの名前でCCに言ったんだ。
「分かったよ、『……』、今日から俺がキミの主だ。」
俺がそう言った日から、記憶が戻るまでの少しの間、CCは俺のメイドとして過ごした。
記憶が戻った後のCCはすぐにまたあの傲慢な魔女になったため、あのままにしておけばよかったのではとも思った。
だが、やはりいつもの傲慢なこいつが戻ってきて本当に良かったと思う。
なぜならば、それこそが俺の知るCCなのだから……。