秘密の部屋
□複雑な感情
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俺の愛ってのは、普通じゃないんだと思う。
メデューサに対して俺は、俺にとっての愛っていうヤツを抱いていた。
解体(バラ)したいと思った。
傷つけたくないから、生ぬるいあの関係をもっと続けられたら、とも思った。
しかし結局は、魔女として先輩と共に彼女を狩った。
その瞬間、俺の中にあった感情のひとつは、楽しかった。
彼女を解体(バラ)せて……。
彼女を狩れて……。
もうひとつ、わずかに抱いた感情があった。
それは、悲しみだった。
メデューサを傷つけたから…。
だから、俺はただ笑った。
すべてが、どうでも良く感じられたから……。
そんな俺だけど、あの頃が懐かしくも感じられる。
ただの保険医としての彼女と会話していた生ぬるいあの頃に。
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後書き