秘密の部屋

□いつか訪れるであろう安息
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「おじさまのもみあげって可愛いですよね。」

ボンゴレの地下アジトの一室で大きな帽子を被った少女が小さな殺し屋に向けて言った。
楽しそうに。

「いきなりどーした、ユニ。」

いつものポーカーフェイスを崩して、小さな殺し屋・リボーンは聞き返した。
ユニに今はいないルーチェの姿を重ねながら。

「いえ、くるんとしてるのが可愛いなって思いまして。
おじさまのチャームポイントですね。」

そう言い、誰をも魅了する愛らしい笑顔がリボーンに向けられた。

思わず頭を撫でたいという考えが一瞬浮かんですぐに消えた。

呪いの体の今の自分ではそんな事できないのだから。

「ルーチェにも似たような事を言われたな。」

そう返事をし、手に持ったカップにリボーンは口をつけた。
もちろん、そのカップの中は彼の好物のエスプレッソ。


「おばあさまが?」
そう言って小首を傾げる仕草もまた愛らしいと思った。


「あぁ……あれはまだ会って日も浅い時だったな……。」

「聞きたいです、おばあさまの話。」

そう言ってリボーンを見つめるユニの目は好奇心からかキラキラと輝いてみえる。

それは、白蘭と相対した時の覚悟の顔とは違う
年相応の少女の顔だった。


「あぁ教えてやるぞ。
ただしまた今度な。」

そう言うと彼女は頬を膨らましてきた。

可愛いじゃねーか。

「今聞きたいです、おじさま!」

「仕方ねーな、わかったぞ。」

「ありがとうございます!
大好きです、おじさま!」

俺もだぞ、そう返事をしてから小さな殺し屋は考える。

どこから話そうかと。





そんな戦いの後の安息の日々

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