コードギアス
□視線
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み、見られているな…
ルルーシュ・ランペルージは視線を感じていた。
彼は今、元生徒会長であるミレイ・アッシュフォードが残していった大量の書類とひとりで格闘している状況だ。
そんなルルーシュをじーっと見つめているのは、ナイトオブシックス、アーニャ・アールストレイムである。
(以下ルルーシュの思考)
ええい、何故ただ見つめているだけなんだ、俺の素性を疑っているなら聞いてくればいいものを…
まあ聞かれたところで素直に答えはしないがな、フハハハハ。
いや少し待て、スザクに頼まれ俺を監視している可能性は?
くっ、可能性は少ないがやはり探ってみる必要があるな。
それに何だか視線が少しキツいからな。
よし、ここは、俺が。
(ルルーシュの思考終了)
「あの、アーニャ様、俺に何か用ですか?」
ルルーシュは振り返りアーニャの瞳を見つめて言った。
いつでもギアスをかけられるように…。
「…アーニャでいい…」
「えっ?」
「ジノが言ってたように学園では社会的立場は忘れて、…ダメ?」
そう言ってアーニャは首を傾げた。
その姿に自然とルルーシュはナナリーの面影を感じ、一瞬悲しそうな表情になった。
それをアーニャは見逃さなかった。
「…何で悲しそうな顔をしてるの?」
アーニャが優しく問いかけてきた。
今のルルーシュにその優しい言い方は、またアーニャをナナリーとかぶせて見せた。
そのため、イレギュラーに弱いルルーシュはどう対処すればいいのか分からなくなってしまっていた。
だから彼はとっさに女の子の好きそうな話をして誤魔化そうとしてしまった。