コードギアス
□プリン賛歌
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「セシルくんってさぁ、なんでプリンだけはこんなにうまく作れるの?」
ロイドは、セシルの作ったプリンを食べながら、セシルに向かってそう言った。
「プリン以外も得意なんですけど、私。」
セシルは、『プリンだけ』と強調され少し腹が立っている。
彼女は、スザク君にジャム入りおにぎりをあげた時、スザク君がおいしさのあまり泣きながら全部食べていた私の腕が分からないなんて、と思っていた。(勘違いも甚だしいのである[キートン山田風])
「だって、キミの作る料理はいつも常識に欠けるモノじゃない。」
一般常識に欠けるこの人だけには言われたくないとセシルは思った。
「私の料理のどこがですか?」
そう言うセシルの背後には、黒いオーラが出ていた。
ロイドもそれに気づいた。
だから、話題が悪いほうにいかないよう話題をプリンに戻した。
「じゃあ、聞くけど、なんでプリンは特にうまくできるの?」
こう言えば、プリン以外もうまいと言う風に聞こえるだろうとロイドは考え、言った。
「そ、それは……」
実は大学の研究室時代にラクシャータに教えてもらっていたとは言えないセシルだった。
「それは〜、なに?」
口ごもるセシルに興味を抱き、答えを促すロイド。
「ロイドさんには教えません。」
それに答えないセシル。
「まあ別にいいけど。
おかわりのプリン作ってくれない?冷蔵庫に材料はまだあるしさ。」
そう言われ、準備にかかるセシル。
それがいつものキャメロットの、いや、二人の姿だった。