コードギアス

□一緒に
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僕は今ピンチに陥っていた。
いや、ある意味ではとてもいい状況なのだけど……。

今現在、僕は、僕を拾ってくれたVVのいる嚮団ではなく、機密情報局で任務をしている。
任務内容は、ルルーシュ・ランペルージの弟となって彼女を監視することだ。
正直、今まで暗殺任務しかなかった僕にできるのか不安だったけど、ルルーシュは皇帝のギアスで僕を、本当にたった一人の弟だと思っているから何の問題もなかった。
問題どころか、彼女は実の妹ナナリーにしていたように、僕に接してくるので凄く毎日が楽しかった。


ところが、ナナリーに接するのと同じだからこそ、ある問題が発生した。
だから、今、僕は困っているんだ。
だって、だって、いくら姉弟とはいえ、いや本当は姉弟じゃないけど……一緒にお風呂だなんて!!
いや、嬉しいですよ、僕は。
姉さんは、かなりの美貌の持ち主だし。
でも、だからこそ、弟の立場を忘れて、やってはいけないことをしてしまい、
その結果、姉さんに嫌われそうでこわいよ……。


「兄さん、別に一人で入ればいいじゃない、お風呂なんて。」
「おいおい、ロロ、二人きりのときは兄さんじゃなくて姉さんだろ。
それにいいじゃないか、久しぶりに一緒に入るぐらい。」
そう言い、姉さんは僕の額を優しく小突いた。
そうだった、つい学園にいる時みたいに兄さんって呼んだけど、今は呼んじゃいけないんだった。
姉さんは、男装をして学生生活を送っている。
記憶が書き換えられる前は、皇女であったことがバレないために。
そして、記憶を書き換えられた今は、たった一人の家族である僕をまもるためには、か弱い女ではダメだと両親が死んだ時にそう思ったから、ということになっている。
だからこうして二人きりの時だけは、姉さんと呼んでほしいと頼まれていたんだ。
自分が、本当はそう呼ばれたいから、お前の姉であることを忘れたくないから、と言われたんだった。
いい人なんだ、姉さんは。
弟である僕を大事に思っていて、本当は賭け事には僕を連れて行きたくないみたいだしね。

だから、あのゼロになったのも何かそれなりの理由があったんだろう。

でも、だからといって一緒にお風呂は……危険すぎると思うんだ。
男は狼という言葉を姉さんは知らないんだろうか?

よし、ここは断るんだ、僕。
もう一度断れば、優しい姉さんのことだから僕の言う通りにしてくれるはず!!

「ごめんね、姉さん。
でも、やっぱりお風呂は…ってアレ?」

気づいたら、脱衣所でした。

「何言ってるんだ、ロロ。
もう一緒に入るのに納得したから黙ってついてきたんだろ。」

どうやら、僕が考えている内に姉さんが僕の腕を引っ張って、脱衣所までつれてきたようだ。

どうする、断るタイミングを逃していたなんて!!
もういっそ、このまま一緒に入ったほうがいいのかな、目の保養にもなるしさ……。

いやいや、絶対ダメだって、やっぱり僕が耐えられないよ、自分を抑えれなくなるよ。
ただでさえ、男装していても、男を魅了している姉さんだよ!!
よしここは少し強引でも逃げるんだ、今ならまだ逃げれるはず……。

「ロロ、お前も早く着替えろよ、私は先に入るぞ。」
姉さんはそう僕に言ってきた。
姉さんのいる方に目がいった。
バスタオル一枚を体に巻きつけているだけという魅力的な姿がそこにはあった。
その瞬間にギアスを発動し、逃げたのは正解だった。
なぜなら、この後、一緒に入ろうと言う姉さんの声は一度もなかったから。
でも、もったいないと思っている僕がいるのも仕方ないのだろう。

だって姉さん美しいんだもん!!

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