ソウルイーター

□対象
2ページ/3ページ

「別に、寝ていたから起こそうとしていただけですよ。
ところで、ソウルはなぜここに?
放課後まで残っているようなヤツじゃないでしょ、キミは。」

俺は普通にそう言った。
そう俺が言っても、ソウルは俺を睨み続けている。
俺が言ってる事が嘘だと分かっているのだろう。
ソウルは、マカの事が好きだから。
マカを観察していた俺には分かる、ソウルがマカを愛していることぐらい。
ソウルはいつもマカを見ているからね。

だからソウルは、マカと俺を二人きりにさせないためにわざわざ戻ってきたのだろう。

「博士、オマエってマカの事好きなんだろ。」

ソウルは、俺の方、いやマカのいる方に近づいてきながら、そう言ってきた。

「はっきりと聞いてくるんですね。
ええ、そうですよ、ソウル。それがどうかしましたか?」

俺はそう言いながら、タバコを吸う。
落ち着くためと、余裕のあるというアピールをソウルにするために。

「アンタには負けねーよ、俺は。」

そう言いながらソウルは、俺からマカを守るようにマカのすぐそばに立った。


「宣戦布告っていうヤツですか?」

俺もソウルも寝ているマカを見ている。

「ああ、そうだよ。」

そう言うソウルは真っ赤な顔をしている。

「俺も、負けるつもりはありませんよ。」

初めて、愛という感情を教えてくれた女の子だからね、マカは。

そして、ソウルが俺に何か言おうとした時だった。

「俺は…」「あー、いつの間にか寝ていた!!」

マカが起きてそう言ったのは。
ソウルはいきなり起きたマカに驚いて、何も言えないようだった。
だから、俺がマカに言った。

「起きましたか、マカ。
もうずいぶんと暗くなってきたので、今日はソウルと一緒に帰りなさい。
分からないところは明日教えてあげますから。」

「ハイ、分かりました。
って何でソウルがいるの?」

マカはソウルがいることに疑問を抱いているようだ。
ソウルはあたふたと慌てている。

「俺が呼んだんですよ、マカを迎えにくるようにね。
ね、ソウル。」

俺は返答に困っているソウルに助け船を出した。

「ああ、そうだ。」

すぐさまそれにソウルは同意した。

俺が、わざわざソウルに助け船を出したのは、ソウルに感謝しているからだ。
あそこでソウルが来なければ、俺はマカに何をしていたか分からないから。
だからといって、ソウルにマカをやるつもりはないけど。

そんな事を俺が考えている内に、マカは帰り支度をしていたようだ。
ソウルの手を掴んで、ソウルをひっぱりながら教室のドアへと向かっていく。
そして、ドアの前で振り向くと俺を見ながら、

「今日はこっちから頼んでいたのに寝てしまってごめんなさい、シュタイン博士。
また明日、お願いしますね。
じゃあ、さようなら。」
と、言ってきた。

まぶしい笑顔でね。

その笑顔を見て、俺はますますマカを手に入れたいと思った。
研究対象としてか、愛の対象としてかは分からないが。

マカとソウルが帰った後、俺は教室で笑っていた。
また明日、俺とマカは二人きりになるのだ。
ソウルが邪魔しにくるのだろうけど。

next→
後書きという謝罪
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ