小説
□感謝を込めて
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ミネルバが墜ちた
キラが笑う。ラクスも微笑む。周りが安心したように顔を綻ばせる
メサイアも墜ちた
キラが笑う。ラクスも微笑む
何故笑う?何故安心する?AAに皆集まって笑い合うのを俺は一歩後ろで静かに見ていた
――ナゼ?
AAに集ったメンバーをしばらく観察し、ある一つの答えに行き着いた
(ああ、そういう事か…)
疑問が解けて口角が上がる
安心しているのだ、心の底から
みんなが生きているという事に
大切な人達が側に居るという事に
だから笑える、微笑み合う
誰一人として失ってないから
俺は堪えきれなくなり、腹を抱えて笑い出す
「っ…ぁははははははははッ!!」
辺りが静まり返った。俺の狂ったような笑い声だけがブリッジに響く
「本当に楽しかったんだろうなぁ…あなた達にとって戦争は…ッ!」
笑いで目尻に溜まった涙を拭いながら、懐から銃を取り出しラクスに狙いを定める。そしてその隣にいるキラへゆっくりと銃口を動かした。俺の咄嗟の行動で周囲の人間は固まっている。何が起きている?そんな顔ばかりだ
「アスラン、貴方…何を……」
ラクスが一番に口を開いた。続けてキラも俺を見つめながら口を開いた
「どうした、の?何が…」