小説

□にゃん
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アスランが俺の事を恨めしそうに見る理由を知っている。奴が拾ってきた猫は、何故か俺に懐いてしまった。しかも俺は飼わないと最初言っていたのだが、アスランの必死な様子に折れて飼いだした。そしてレインと言う名前も奴が付けたのに
レインはアスランよりも何故か俺に引っ付いて回る。寝る時も俺の足元に居るし、風呂だって、バスルームのドアの前でちょこんと座って待っている。唯一、アスランの所に行く時は餌の時だけだ。餌付けさえすればレインはアスランに懐くと思って、奴を餌やり担当にしたのだが…

レインは朝、餌を食べてその後は俺の所にやってくる。今がその時で、今日は寝ている。昨日は毛繕いをしていた

「アスランに懐け。このやろー」

小さな頭を撫でてやる。レインは動かない。その代わり、ごろごろと喉が鳴っている

「アイツがお前を拾ったんだぞ」

レインを飼いだして1ヶ月。しかし猫と言う生き物はこんなにも人間に懐くものだろうか。しかもこんな短期間で。俺の知っている限り猫は気紛れの我が儘で、自分の良い時にしか甘えてこない。そんな生き物では無かっただろうか。そんな事を考えながらレインの頭を撫でていた俺はいつの間にか眠ってしまったらしい
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