小説

□触れた哀しみ
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ポカンと開いた口もそのままに、シンは呆然と目の前の風景を見ていた

いや見間違いか。そうだ、そうに違いない…とシンは頭の中で思っていても目の前に居る人物はそんなシンを無視して楽しそうに会話を弾ませている
見慣れた服装に見慣れない面
ミネルバに新しいパイロットが入る話なんて聞いてないし、他の部隊が来る等の話も無い。なのにザフトの赤を纏った二人の少年は呑気に話を続けている

不思議に思いながらも、直接少年達に聞こうか…と話し掛けようとした時、シンの後ろから一人の青年が来た。全く気配を感じず、シンは驚いた

『よぉ、こんな所で何してんだ』

今度は緑の軍服を纏った青年(明らかに俺より年上だと思う)は二人に片手を上げ、会話に混ざっていった

「えっ…ちょ、」

シンが慌てて三人に話し掛ければ一斉に驚いた顔が此方を向く。いや、俺も驚いているんだが


「あの、あなた達何して…」

「どうしたんだ?シン」

不意に後ろから掛けられた言葉に振り返ると上司であるアスランが首を小さく傾げている。丁度良い。アスランに聞こうと思い、シンは三人に(失礼だが)指さした

「誰ですか?この人達は」

「誰、ですか…?って…誰か居るのか?」
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