小説

□触れた哀しみ
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アスランの疑問に視線を元に戻すと、そこには誰も居なかった



それからというもの、彼らを頻繁に目撃するようになった。誰かに相談をしようかと思ったが、内容が内容だけに信用して貰えそうに無いのでシンは余計に頭を抱えた

『いやー、やっぱりバッチリ見えるってスゲーよ!』

『プラントでは信じない人の方が多いんですけどね』

『俺も現役時代、実は見えてたんだぜ〜』

上から橙、黄緑、黄の髪色をもつ人物だった物体が話し掛けてきた

「俺はアンタ達の存在で悩んでんだよ!何の未練があるかは知らねーけど、さっさと消えてくれ!」

『『『い、や!』』』

「……」

実はこんなやり取りを見た一部のミネルバクルーが“最近シン・アスカは一人で騒ぎ独り言を喚く。もしかしたら戦闘の過労で精神に異常が出たのではないか”と色んな人に言い回っているそうで、ルナからは「少しは艦を出て外の空気でも吸ったら?」と、レイからは「あまり無理をするな」と、それぞれから心配された

「…ったく、誰のせいで」

「誰のせい…だって?」

溜め息を吐き出した時、後ろからアスランが声を掛けてきた。大体、あの三体が現れる時は不思議とアスランが近くに居る時だった
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