小説
□幸せは感染します
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「父上、母上、おはようございます」
リビングに入るなり、二人に挨拶をする。母上はテーブルに料理を並べており、父上は通信機を片手に「ん」と一言だけ発した
「母上、俺も手伝いますよ!」
「良いのよ。もう終わるから。それに今日は特別なんだから、ね?」
「座りなさいアスラン」
通信機を近くのソファーへ置きに行った父上の声に返事をし、真向かいに座る。そしてそこへ母上がそれぞれに取り皿を置いていく。母上の言う通り、既に目の前には色んな料理が並んでいて中でも俺の好きなロールキャベツが美味しそうに湯気を立てていた。そしてテーブルの中央に小さなホールのショートケーキが静かに置かれた
母上が父上の隣に腰掛け、「さ!」と手をパンと合わせた
「では、アスラン」
「「誕生日おめでとう」」
「……え…あ、」
食後のデザートだと思っていたケーキはバースデーケーキと言う事らしく、俺は二人に「ありがとうございます」と少しだけ照れた
「しかし俺もう大人なんですよ」
まさか昼間っから誕生日会を開かれるとは。しかも両親に。これを照れずに言えようか
「私達から見れば貴方はまだまだ子どもです。ね、アナタ」
「そうだな」