小説

□知らぬが仏
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前までは絶対主義なイザークの事だからライバルなんかに負けていることが悔しくて毎回勝負を挑んでいるのかと思っていた

しかし、それは違っていた


実習の時も食事の時も、いつでもどこでもアイツの事を見ていて、目があった時なんか微かに頬赤くなっちゃって

これは好きな奴に突っかかっていくイジメっ子ってやつなんだと気づいたのはすぐだった

案外、乙女ちゃんだなイザークは


「くっそ…もう一度勝負してくる」

「また行くの?」

「今度こそギッタギッタに叩き潰す…!!」


…出来るわけないでしょーが


「ま、頑張って」


シュン…とドアが開いて閉じる


さて、部屋の掃除でもするか…と取り掛かったのはいいが数分後、意味がなくなってしまう事に気が付くのは、また同室の片割れに荒らされた時だった
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