小説
□自由を破り裂いて
4ページ/5ページ
多分ここは地下にあるのだろう
部屋の空気がヒンヤリしている
ギィ…と重々しく扉が開きイザークが入ってきた
「よく眠れたか?」
「あぁ」
正直眠れてないのだけれど適当に相槌をうった
「俺をいつ出してくれるんだ?」
「何を寝ぼけている。貴様の部屋はここだぞ」
イザークはアスランの髪の束を手にとると愛おしそうに唇を寄せた
それを嫌そうに顔を背ける
イザークの手から藍色の髪がすり抜けていく
「何が不満なんだ?」
「…全部」
「全部とは分かりにくい表現だな」
笑いながら今度は頭を撫でるイザーク
「外に出してくれ」
「駄目だ。貴様は逃げるだろう…?」
頭から頬に手が移る
「逃げるって…」
「前はプラントから逃げ、やっと帰ってきたかと思えば次はオーブに逃げる。だからこうしないと…オーブなんかに貴様をやらない。あんな所に…」