小説
□煌びやかなる影
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「はっ、ミネルバ艦所属、レイ・ザ・バレルであります」
ピシリと背を伸ばし敬礼をして自己紹介をしたレイを頭から爪先まで見る
「ジュール隊隊長イザーク・ジュールだ」
そしてと言うようにアスランの右腕を掴むとレイは無表情ながらも反対の左腕を取る
「今からコイツに用事がある」
「私もアスラン隊長に用事があります」
お互い一歩も引かない
アスランは溜め息をついた
「アスラン、俺の約束が先だろう」
「私との仕事の方が大事ですよね?」
するといきなり火の粉はアスランに降りかかってきた
アスランは困ったように二人を交互に見る
イザークは自信満々でレイはどことなく不安げな表情を浮かべていた
アスランの心が揺らぐ
そして意を決して出た結果は
「すまないが、イザーク…」
「な…」
アスランはイザークに謝罪を述べた。断れると思ってなかった本人は勿論、狼狽える
「すぐ終わるから」
スタスタと用事を済ませる為に格納庫へと急ぐアスランをレイは口元をつり上げながら見ていた
結局、アスランは(キラやシンみたいに)頼られると断れないのだった