小説
□不器用な愛情
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「今日こそは…」
暗闇の中で青年はある物を取り出した
電源を付けられてない球体はいつもは飛び跳ねたりするのだが今は大人しい
そして青年はそれにドライバーなどの機具を使って解体し始めた
これは愉快で悲しい青年の話である
「アスラァン!!」
呼ばれた子はその藍色の髪をふわりと浮かせ背後を見やる
そしてため息をついた
「何だ。俺は忙しいんだ」
眉に皺を寄せ如何にも不機嫌を表し冷たく接する
大体はそこで彼は怒り“その態度は何だ!もういいっ!!”と部屋に帰って行くのを想定しての行動なのだが今日は違った
「ほう…俺にそんな事言っていいのかな?」
ニヤリと自慢ありげに言い放つ
その自信家というのも気に食わないし尚且つ自分勝手だとアスランの中で、彼―イザークの性格が出来上がっていた
アカデミー入ってから何かと突っかかってくるイザーク
正直アスランは鬱陶しくて何かと避けていた
が、反対にイザークはしつこい程にアスランに執着していた
「これ、何か分かるか?」