小説
□ROSE
2ページ/3ページ
「愛してる」
言葉で表しきれない程
「愛してる」
気持ちは減ることを知らない
「愛してるんだ」
「…知ってる」
クス…と笑い声が上がり、かすれ声で応えたアスラン
「起きてたのか」
見開いた視界には潤んだ翡翠が爛々と2つ浮かんで俺を捕らえた
「今起きた」
きゅ…と背中に回る細い腕
「俺も好き…大好き」
肌越しに生暖かい空気が触れる
そして生命の鼓動を聞いた
「俺の方が何倍も愛してる」
「それも知ってる…でも、」
ふと、胸元の温もりが消えたかと思えば目の前で微笑んでいた
「俺もその何倍も大好きだから」
ゆっくりと近づいた唇
どちらが先とも言わず触れ合い、鼻先を合わせ笑った
「ひとまず、引き分け…だな」
俺はアスランを抱き締め、目を閉じた