小説
□バレンタイン
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14日にグルグルとペンで印されている
ここはイザークの部屋
といってもディアッカと兼用であるが
アスランは無意識にカレンダーをちら見
つられてイザークもちら見
そしてアスランは俯いてカップに口つける
イザークは明後日の方向へ顔を向け、同じくカップに口つける
二人とも顔が真っ赤
それを面白そうに雑誌の隙間から盗み見るディアッカ
初々しい二人にこちらも照れるものだ
あのカレンダーに印つけたのはディアッカである
ぎしりとベッドの軋む音
「お…俺、部屋戻るよ」
「ん、…あぁ」
しどろもどろに会話しアスランはそそくさと部屋へ帰っていった
「ディアッカ!!貴様あぁ!!」
突如、鳴り響く相方の怒鳴り声
ディアッカは両耳に手をあてて耳栓する
それにまた怒りが積み重なり襟首を掴むと前後に揺さぶる
「貴様があんな印つけなければ!!」
「悪かったって…」
やんわりと自分の襟首を掴む手を離すとニヤリと笑う
「でもあのアスランも明日、流石に何か用意するだろ」
「……」
イベント、誕生日等、ことごとく忘れてしまうアスランもあんなに意識している以上、何かしてくれるであろう