小説
□様々な愛の形
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「シン」
大好きな上司の呼びかけに元気な声で返事をする
「はい!!」
「袖の所にご飯粒が…」
苦笑いするアスランの指差す方をシンはなぞるように目線を向ける
確かにアスランの言う通り、かぴかぴになったご飯粒が二、三粒付いていた
「……!!」
慌てて取ると、クスクスと笑い声が
その事に少し不満げに言い返す
「なんすか…」
「いや、可愛いところもあるなって…」
すまない、とアスランは目尻に溜まった涙を拭う
「ア…アンタも……」
「ん?」
シンは瞳に負けず劣らず、顔を真っ赤にさせると怒鳴るように言い放った
「〜っ!!アンタの方が可愛いんだからなっ!!」
肩で息をするシンを不思議そうに見つめ、また一つ笑うと、頭を優しく撫でる
「俺にはシンの方が可愛いと思うけどな」
「絶対にアスランさんの方が可愛くて、綺麗で美人で美しくて優雅でカッコ良くて強くて、でも儚さもあって――…」
力説するシンをただアスランはにこやかに頭を撫で続ける(つまりは話を聞いてない)
「…って所が全部素敵なんすよっ!!だから俺はアンタの事が大好きだっ!!」