小説

□直線な君に屈曲な俺を
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「俺と付き合え」


ライバルであるはずの高飛車な奴から唐突に愛の告白を受けた
ぽけん…と奴の顔を見る
大好きなマイクロユニットの操作を止めるほど衝撃的な事態
それでもやっぱりどこか勝ち誇った様子

とりあえず黙ったままでいると、いつ怒鳴るか分からないから今思った事を口にする


「…何故?」


たった二文字
それだけでお得意の表情を浮かべる
眉間にくっきりと皺寄せて、いかにも不機嫌ですとでも言うように

「何故…だと?」

地を這うような声
かなり不機嫌らしい

「だって俺の事嫌いだろ」

俺の言った言葉は最もなこと
いつも突っかかってくるし
どこからどう見ても、ああいう行動達は嫌いだからすることだ
せっかく作ったハロを踏み潰すし、俺が嫌いな青魚のメニューをこれ見よがしに目の前で食べる、毎度俺の行動に文句をつける、ブーツの踵を踏まれるし…


「……愛情の裏返しと言うもんだ」


思い当たる節があるのだろう
目線が明後日の方向へ泳いでいる






「ふうん。でも断る」

「なぁにぃ!!」
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