小説
□不器用な質問
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「あー…」
俺は上司兼、同僚でもある奴の休日に起きた話に笑いそうになった
「何だ」
ぎろりと睨まれれば笑えるはずもなく、一つ咳払いをし本題に
「…まぁ彼奴の事だ。つまりは、」
「つまりは?」
言いかけて止める
もしここで俺が言ったとして、イザークはその事をきっと小馬鹿にする
そしてその仕打ちを彼奴から受ける俺…見事な現実味のある先の未来に背中へ悪寒が走った
彼奴、ネチネチとしつこいんだよなー
「手っ取り早く彼奴本人に聞けよ、な?」
俺の出した結論に深く不満らしい
その証拠にこれでもかと言う程、眉間の皺が凄い
「ふん、貴様に聞いたのが間違いだった」
「え…そりゃないぜ……」
スタスタと俺を置いて行くイザークの背中に小さな呟きが聞こえるはずもなく
「でも、まぁー…珍しい事があるもんだなぁ」
後ろ頭に腕を組み、のんびり歩きながらイザークの後を追う
彼奴も何だかんだ言って愛してんのなぁ…イザークのこと
そのことを考えてるとニヤニヤが止まりそうになかった