小説
□小悪魔な奥様
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「ヤバい」
反論出来ずに呆然と立ち尽くすアスランは急に身体中が冷えていくのが分かった
「……あ」
手袋を取らなきゃならないと落ち込んでいたが、風呂場に最適な相棒がいるじゃないか!!とひらめき、アスランは意を決して倉庫へ向かった
「…まだか」
湯船に浸かって5分もしないが、イザークはまだかと待っていた
風呂ならば寒いとか言い訳が出来ない
今こそとあの手袋の意味を知りたい気持ちが先走って時間が長く感じている
その時
「いいか?」
コンコンと控えめなノックと共に確認の言葉
やっと来たかと湯船から上がるイザークは“ああ”と短く返事して椅子に腰掛ける
ドアの開く音とひんやりと空気が流れ込む
イザークはアスランに背を向けるように座っている為、両手を確認する事が出来ないのに気が付き、ため息をついた
「ん?…本当に疲れてるんだな」
ざあぁ…と背中にお湯がかかる
それがまた気持ち良く、そして歯痒い
「まぁ…な」
チラリと目だけ動かしてもタイルしか見えない
まぁ後で何か理由を付けて振り向けばいいかと、何気なく目の前のタイルを見つめた
「……あのボディソープ」