小説

□ある日の甘い瞬間
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やがて俺の手にあるものを見つけると真っ赤に頬が染まる

「あれほど大事にしてたやつまだあったんだな。いや、その前にどうして今日…」

ちらりとアスランを伺うと、俯いてもごもごと何かを言っているようだ
しかしどれも言葉として聞き取りにくい


「よく聞こえないんだが」


「だからっ、イザークの為にっ!!」


観念したのか、ガバッと音がするんじゃないかって程いきよいよく顔を上げるアスランはそれはもう素晴らしい程真っ赤っかで
何故かこっちまで照れてしまう



「誕生日…ちゃんと祝ってないし…」



さっきの勢いが萎れ、再び俯いたアスラン



「だから、遅いけど、…その」



「……」



「…誕生日おめでと」



「ありがとう」




ポンポンと頭を撫でる
そういえばまだ面と向かって言われてなかったなと、つい笑ってしまった

「…なんだよ」

「いや、照れた姿が可愛いと思ってな」

「なっ…!!」

「ほら、紅茶が冷める。行くぞ」


俺の誕生日から10日たった、まろやかな午後のひととき



end.
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