小説
□糖分高めのある日
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確かにイザークは今もザフトに勤めている
仕事が毎日大変で休みなんかめったに取れないのも知っている
「…その」
何も言い訳が出来なくなるアスランの姿にイザークはクスリと笑った
「一つ歳を重ねても成長しないな」
「むっ…失礼だな」
ようやくイザークの向かい側に腰を下ろしてコーヒーを飲む
「で、プレゼントだ」
キツネ色に焼きあがったトーストの隣に小瓶が置かれた
「…ジャム?」
それを手にし光にかざすようにして見る
ラベルには手描き風に桃のイラストが載っていた
「好きだろうと思って。そしたら毎朝、飯食べるだろう?」
「うん…ありがとう!!早速食べていいか?」
どうぞ、とイザークはスプーンを差し出す
白い蓋をかぱりと開け、スプーンを入れるアスランは子供のようにワクワクしているのが見て分かる
しかし掬った一杯分の桃ジャムを口に運んだアスランに間髪入れずイザークは突っ込んだ
「トーストにつけろ!!」
「味見だよ味見」
そしてもう一口
今度は山盛り一杯
怪訝そうなイザークにつられてアスランも眉間に皺が寄る
「何だよ……あ、イザークも味見したいのか?」
「断る」
「まぁまぁそう遠慮しない」