小説
□愛を叫べ
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「ほら突っ立って無いで行くぞ」
ぐいぐいとそのまま連れて行かれる
その間、首を絞められながら
「ぐッ苦…じい…」
そして、アスランのささやかな抵抗が本気に変わる
爪を立てる程度が皮膚をと言うか細胞を捻り潰すかのように抓ると瞬時に解放される喉元
イザークは袖を捲って、抓られた箇所を確認する
「〜っ!!本気でやりやがったなッ!!」
うっすら目尻に浮かぶ涙にアスランは咳込みながらも笑った
「それじゃあ、このハロをイザークが捕まえたら勝負しても良いよ」
息を整えたアスランはいつの間にか手のひらに青いハロを乗せていた
まだ起動してないからか、いつものように騒がしく動く気配が無い
「ふん…俺を馬鹿にしてるのか?」
腕を組んで、アスランの手のひらに収まっているハロを睨む
「まぁまぁ…」
苦笑いしながらボタンとなっている目を押せば、耳の部分をパタパタと開閉させ二人の周りで飛び跳ね回る
「こんなもの…」
ちょうどイザークの目の前をハロが飛び跳ね、とっさに捕まえようと出した右手
しかし虚しくもそれは空を切る事に
ハロはそれを小馬鹿にしたようにイザークの周りばかりで飛び跳ねる
「こんの球体野郎がっ…機械の分際でぇ!!」